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書評・レビュー「世界最先端のマーケティング」

どうも、「世の中取扱説明書」です。

 

書評・レビュー「世界最先端のマーケティング」というタイトル記事です。

 

 

 

読者ターゲット。(記事を読んで欲しい人)

この本に興味ある人。

 

ゴール。(この記事を読んで得られること)

この本を買うか、読むかの判断軸がある程度持てる。

 

では書いていきます。

 

イントロダクション。アマゾンはなぜリアル店舗を展開するのか?

 

PART1 アマゾンの脅威。

01 オフライン空間への進出。

AmazonDash「家」にチャネルを埋め込む。

02 2方向への展開。

Echo,Go、Books。Amazonワールドに誘い込む。

オンラインVSオフラインという対抗軸だけであれば、オフラインでの小売・流通市場の規模がまだ圧倒的に大きい。

 

ベンチャーキャピタルKPCB(クライナー・パーキンス・コーフィールド・アンド・バイヤーズ)が年次で発行しているリポート「Internet Trends」によると、2016年の米国のEC化率は11%、日本は7%前後と推測されている。

 

つまり米国においても、小売流通市場の90%近くは、オフラインに存在している。これらのオフラインに存在する顧客、あるいはアマゾンの顧客であってもオフラインで行っていた買い物を取り込んでいかなければ、成長には自ずと限界が訪れる。

 

とは言え、小売において業態の違う領域に踏み出すことは、通常至難の業だ。それはアマゾンであっても同じことであり、オフライン店舗の運営ノウハウを持っていたわけではない。

 

そこで強みとして持つオンラインでの「顧客とのつながり」を活かし、テクノロジーを活用してオフライン市場を切り拓こうとしている。それがアマゾンダッシュやアマゾンエコー、さらにはアマゾンゴーやアマゾンブックスというチャネルシフトの取り組みだ。P35。

 

PART2。チャネルシフトの最前線。

03 アパレル業界。

LE TOTE。ファッション業界のネットフリックス。

BONOBOS。店舗の機能を「購入」だけに限定。

ZOZOSUIT。自宅で簡単にサイズ測定。

04 インテリア業界。

ニトリ手ぶらdeショッピング。店舗をショールーム化する。

IKEA Place。自宅をショールーム化する。

インテリア商品もアパレルと同様に、実際に店舗で見て納得したものを買いたいと感じるカテゴリーだ。

 

しかしその一方で、持ち帰りの大変さや、買ってみたらサイズが合わないといった場合のリスクが大きい。

 

ニトリやイケアは、オンラインとオフラインのチャネルを柔軟に組み合わせ、これらの不満を解消している。

 

中略。P62。

05 飲食業界。

AmazonFresh。顧客のライフスタイルを把握する。

アマゾンは「アマゾンフレッシュ(AmazonFresh)」という食品に特化したECを2007年から展開しており、2017年4月からは日本の一部地域でもサービスを開始している。

 

既存のアマゾンの食品版といえるもので、注文した食品がアマゾンの宅配サービスによって自宅に届けられるというものだ。

 

象限で言えば「選択オンライン☓購入オンライン」、つまり食品業界における典型的なオンライン・プレーヤーであり、セブン&アイなどによるオンライン店舗と位置付けとしては同じである。

 

そもそも生鮮食品は本などと違い、在庫管理が難しい。倉庫で長期間保管したら腐ってしまうし、配送にも特別な車両などが必要になる。

 

宅配先が不在であった場合なら、痛みやすい商品だからこそ再配達リスクも高い。

 

それでもアマゾンがこのカテゴリーに進出する最大の理由は、食品を通した顧客のライフスタイル把握にある。

 

食品は生産において、最も接触頻度が高い商材である。1日3食と考えれば、人間は1ヵ月当たりおよそ100回、1年間では1000回以上も食事をする。

 

個人による程度の差はあれアパレルのようにその頻度が極端に違うといったこともない。

 

どんな食材を選び、どう料理し、どのように食べているか。生きている限り日々繰り返されるこの買い物行動には、顧客の生活そのものが反映されることになる。

 

顧客のライフスタイルを知りさえすれば、圧倒的に多様な食品カテゴリーを持つアマゾンから見れば、マネタイズの機会はいくらでも作れる。

 

さらに2017年6月にアマゾンは、高級食品スーパー大手の米ホールフーズを、137億ドルで買収すると発表した。直後に食品価格を引き下げるなど、次への動きが報じられている。

 

ホールフーズは、米国・カナダ・英国で約470店舗を展開する。伝統的な食品スーパーである。

 

マトリクスで言えば、右下の「選択オフライン☓購入オフライン」の象限に位置する「オフラインに軸足を置く企業」である。

 

アマゾンが食品業界に進出する意図は明確だとしても、なぜアマゾンフレッシュの対極にある用に見えるこのオフライン企業を手に入れたのか。以下でチャネルシフト・マトリクスを使って考えてみよう。P64、65。

WholeFoodswithinstacart。Amazonが買収した理由。

WholeFoodspoweredbyAmazon。2つの可能性。

06 タクシー業界。

Uber対全国タクシー。

 

PART3 店舗至上主義の限界。

07 チャネル形態の変遷。

08 「オムニチャネル」の本質。

変化したのは「店舗」ではなく「顧客管理」。

チャネルの主導権は顧客に移った。

すなわちオムニチャネルの本質とは、企業側の進化ではなく、顧客の買い物行動の変化にある。

 

シングルチャネルからクロスチャネルまでは、極論すれば企業が自社の戦略に沿って進化をっ選択すればよかった。

 

しかしオムニチャネルへの対応は、選択ではなく必然である。自社が対応しなければ、顧客は自分の買い物行動に合った他社を選択するだけだ。「チャネルの定義が顧客に移った」という前提を、忘れてはならない。P104。

すべての「接点」がチャネルである。

09 小売業が陥る「マーケティング近視眼」。

店舗機能を分解いて再定義。

著者らは、オフライン店舗の重要性を否定しているのではない。むしろ、その逆である。ただ、店舗ですべてを完結させるという前提に立つ必要はない、と考えているのだ。

 

確かに近年は、店頭で導入できる様々なテクノロジーが登場している。店舗にできることは、確実に増えている。しかし、オムニチャネル化する顧客を捉えるために必要なのは、必ずしもセンサーやテクノロジー満載のリアル店舗を生み出すことではない。

 

前述したニトリの事例を考えてみよう。店頭を先端テクノロジー武装しなくても、顧客の買い物行動に沿ったオフライン店舗の運用を生み出している。これはオフライン店舗を選択の場と位置付け、購入をオンラインに切り出しているからだ。

 

そしてまた、ボノボスの事例を思い返してみよう。店頭の業務負荷は減っているが、接客が不要になったのではない。むしろ、オンラインを活用して接客技術を高度化させることで、深いブランド体験を実現しようとしている。

 

これも、商品の選択をオンラインで促し、オフライン店舗を購入という機能に特化しているからだ。

 

つまり彼らは、顧客とのつながりを活かすことによって、オフライン店舗の役割を分解し、再定義しているのである。P107。

持つ者のジレンマ。

国内において顧客人口がこれから先も減少していくことは確実である。そしてその顧客がオンラインへシフトしていることも間違いない。

 

しかし現状では、ネットでのECが発展したとはいえ、日本においては小売業全体のEC化率は10%にも満たないと言われている。変革を迫られるのは、遠い未来のような気さえしてくる。

 

中略。

昔を懐かしむことは構わないが、顧客がより良い購買体験を求めて動くことは止められない。顧客の変化についていけなければ、旧来の流通は駆逐されることになる。P110、111。

コトラーの指摘。

オムニチャネルの次に来る戦い方。

前述したチャネルシフト戦略の定義は、以下の通りだ。

チャネルシフト戦略とは、

1 オンラインを基点としてオフラインに進出し、

2 顧客とのつながりを創り出すことによって、

3 マーケティング要素自体を変革しようとする

戦い方である。

 

1は、いわばオンライン企業によるオムニチャネル化である。オンラインに基点を置く文化が、オフラインを組み合わせたオムニチャネルを実現し、顧客に購買体験を提案するわけだ。

 

これに2の「顧客とのつながり」を競争優位性として手に入れるという意図、さらにそれによってマーケティング要素自体を変革するという行動までを含んだものが、チャネルシフト戦略である。

 

すなわち、チャネルシフト戦略とは、オムニチャネルを前提として、その上に実現する戦い方であると言ってよい。

 

ここであえて、オムニチャネルとチャネルシフト戦略を対比するならば、最大の違いは「思考の基点」である。

中略。P113、114。

 

PART4 購買体験をデザインする。

10 チャネルを行き来する顧客を捉える。

「顧客時間」に寄り添う。

「空間の壁」を越える。

チャネルを「連携」させる。

部署横断の視点を持つ。

 

 

11 購買体験による囲い込み。

THE MELT。グリルチーズサンドを一番おいしく提供。

DIFERENCE。オーダースーツを簡単に楽しくパーソナライズ。

WARBY PARKER。「購入前に使用できる」メガネ店。

 

PART5 無印良品のつながり。

12 MUJIpassport 顧客時間を可視化するチャネル。

13 開発秘話。5つの教訓。

教訓1 「競争力のないチャネルは、生き残れない」。

教訓2 「顧客の課題を解決しないアプリは、つながりをつくらない」。

教訓3 「顧客の行動データを取っても、対話が生まれなければ意味がない」。

教訓4 「すぐれたチャネルは、顧客管理のコストを下げる」。

教訓5 「顧客IDの統合は、システム視点ではなく、マーケティング視点で」。

 

14 3つの効果。

効果1 「企業全体の販促とコミュニケーションを変える」。

効果2 「購入段階以外の顧客時間を可視化する」。

効果3 「セクショナリズムを超えたPDCAサイクルをもたらす」。

 

PART6 つながりがマーケティングを変える。

15 KPIが変わる。

評価の軸は「店」から「人」へ。

投資判断の視点がまったく違う。

つまりアマゾンにとって無人レジ導入の目的は、「顧客当たりの売上拡大」と考えられる。したがってその投資判断の基準は、「無人レジコンビニエンスストアによって、顧客当たりの売上はどの程度拡大するのか」になる。

 

それがわかれば、あとは店舗を増やして顧客全体へのカバー率を上げていけばよい。

 

これに対して無人レジの目的を、「店頭オペレーションの効率化」とだけ捉えた場合には、投資判断の基準は、「無人レジによって、店頭運用コストはどの程度減少するのか」になる。

 

前者はまさに顧客を軸とした発想、後者は店舗を軸とした発想である。

 

この判断の違いは、大きい。前者は売上拡大に対する投資判断であり、後者はコスト削減に対する投資判断になる。

 

一概には断定できないが、投資額、店頭への導入スピード、さらにはそれに連動させる戦略要素が、大きく変わってくる可能性がある。

 

KPIの違いが、デジタル化への経営判断を左右し、時にオンラインから攻め込んでくる(チャネルシフター)の真意をも見落とす要因になるかもしれない。P189、190。

 

16 チャネルは変革の起点。

チャネルによってつながりを創り強める。

エンゲージメント4P。

17 Place。チャネルを「顧客とのつながり」をつくる場に変える。

顧客を知るだけではつながりは生まれない。

顧客との「対話」。

アマゾンは顧客にとっての「真のベストセラー」を把握できる。

しかし「購買データ」まで持っていれば、選択・購入までのデータから、より良い提案が可能になる。

 

同様に「使用データ」まで持っていれば、選択・購入・使用までのデータからより最適な販促提案と価格提案も可能になるということだ。

 

「点」のデータに対して機械的に提案を繰り出すのではなく、つながりのある複数データから「顧客」のニーズを認識し、提案の質を上げていくことができる。

 

複数データの組み合わせが、他にない提案を生み、顧客の購買体験を豊かにしていく。つながりによるマーケティング変革において、チャネルが果たすべき役割は、まさにここにある。

P202。

18 Promotion。つながりが販促を変える。

Oisix。なぜ最初からカートに野菜が入っているのか?

MUJI「遅得」。お届けが遅くていいならマイル贈呈。

19 Price。つながりが価格を変える。

AmazonBooks。圧倒的に差別する価格戦略

アマゾンのプライム会員は、2017年時点で米国では8500万人、日本では300万人を超えると言われている。

 

日本では年間3900円、あるいは月額400円で、様々な特典を受けることができる。

 

Amazon.comでの買い物の際に対象商品の送料が無料になるほか、対象エリアで1時間以内に商品が届くプライム・ナウ、多くのコンテンツが見放題・聴き放題になるプライム・ビデオやプライム・ミュージック、さらには写真を容量無制限で保存できるプライム・フォトなど、いろいろな優待が用意されている。

 

これだけでも他には真似できない価格提案と言えるが、さらにアマゾンはプライム会員の価格特典を、オンラインだけでなくオフラインにも広げようとしている。その1つが、アマゾンブックスの価格提案だ。

 

中略。P217。

いきなり!ステーキ。差別しない優待戦略。

20 Product。つながりが商品を変える。

AmazonPB。シェアもカテゴリーも増殖中。

MUJI「スーパーCランク商品」。消えた商品を新提案で復活。

 

エンディング。チャネルシフト戦略を実行するために。

 

以上、ここまで。

 

世界最先端というキャッチーなコピーをつけたタイトル本ですが、そのタイトルに看板負けしていない内容だと思いました。

 

非常によくマーケティングについて僕が知らない分野を深堀りして学べました。

 

ぜひ一読を勧めたいと思います。

 

参考・引用文献。

「世界最先端のマーケティング」